

すべては、家族を守りたいという一つの決意から始まりました。14年前の寒い元旦の朝、家族に悲劇が訪れます。母親が脳梗塞で倒れ、命の危機に直面したのです。当時の家は昭和の木造住宅。ストーブを消せばすぐに冷え込む環境が「ヒートショック」を引き起こし、母親の健康を脅かしていました。
救急車で病院に運ばれ、一時は寝たきりになるかもしれないと告げられました。しかし、懸命なリハビリの末、奇跡的に回復を果たします。それでも、家族はこの家での生活を続けることはできないと痛感しました。「家が命を奪うのではなく、家が命を守る存在であってほしい」。その強い想いから、無垢材や漆喰などの自然素材を使い、断熱性と快適性を追求した家づくりを決意します。
新しい家で暮らし始めた母親は、日ごとに元気を取り戻し、今では杖を使わずに歩き、料理や洗濯もこなせるまでに回復しました。この経験を通じて、住まいが人の健康や生活に与える大きな影響を深く実感しました。
その後、材木店の知識を活かしながらも、家族を守れる家づくりをさらに広げるため、全国に自然素材を届ける「e-材木屋ドットコム」を立ち上げました。しかし、材料を売るだけでは飽き足らず、ついには自ら施工を手掛ける工務店を設立。資格を取得し、職人やスタッフと共に、夢を形にする総合住宅企業へと進化を遂げました。
そのすべての根底には、「住まいは家族を守る城である」という揺るぎない信念があります。命を守り、幸せを育む住まいを創り続ける――その物語は、今も進化を続けています。
